呼吸の生理学

  運動生理学>呼吸の生理学

5.肺機能の測定

 肺に出入りする空気の量は、スパイロメータで測定する。これによって肺機能の異常を簡単に検査することができる。すなわち、空気を入れた円筒と口を管でつないで呼吸させると、円筒は呼吸のたびに上下運動を繰り返し、これをドラム上の記録紙に描画させる。スパイロメータで測定できる呼吸気量を以下のように分類する。

1回呼吸気量(tidal volume) :  毎回の呼吸で肺を出入りする空気の容 積(500ml)

予備吸気量(inspiratory reserve) :  安静時吸息の終了からさらに最大努力により追加吸入しうる空気の容積(2,000-2,500ml)

予備呼気量(expiratory reserve) :  安静時呼息の終了からさらに努力して呼出しうる最大量(1,000ml)

肺活量(vital capacity) :  一回呼吸気量 + 予備吸気量 + 予備呼気量 男性(4,000~4,500ml)、女性(3,000~4,000ml)

時間肺活量(timedvital capacity) :  最大吸気位の状態から、努力してできるだけ素早く息を吐き出させ、1秒間で肺活量の何%を呼出できるかを示す。71%以上が正常値である。

 スパイロメータ以外で測定される呼吸気量として以下のものがある。

残気量(residual volume) :  安静呼気位から最大息を吐き出した際に肺の中に残っている空気の量(1,500ml)

全肺気量(lung volume) :  肺活量 + 残気量(5,500~6,000ml)

機能的残気量(functional residual volume): 予備呼気量 + 残気量 (2,500ml)

換気率(ventilation ratio) :  一回の呼吸で換気される肺胞内の空気の割合で、

換気率 = 肺胞換気量(後述)/ (機能的残気量 + 肺胞換気量)(= 0.12)で表される。

 適度な機能的残気量は呼吸によって急激に肺胞内ガス組成が変化するのを防ぐが、肺気腫のように機能的残気量が増加しすぎると換気率が低下し低酸素症の原因となる。

*呼息、吸息にしたがって水に浮かんだドラムが上下し、呼吸気量が描画される。